担当者が振り返る

MCUDのCREソリューション
取り組み事例

第2回 五十鈴株式会社

「旧本社跡地を産業振興の新たな拠点に」

MUCDは新たなCREソリューションの一例となる、「マルチテナント型工場・研究開発施設※」の開発に取り組んでいます。薄鋼板を中心とした鉄鋼専門商社の五十鈴株式会社(以下、五十鈴)さまが、東京都大田区の旧本社跡地をMCUDに売却。MCUDはその地域特性を活かし、土地所有者、テナント企業、地域産業の3者の価値を同時に最大化させる収益不動産開発の新たな第一歩を踏み出しました。遊休不動産の売却と新たな価値の創造に向けた経緯と今後の展開を、MCUD担当者に聞きました。

※マルチテナント型工場・研究開発施設:施設の各フロアに複数の賃貸区画を計画し、主に中小のものづくり企業やR&D企業がテナントとして入居する建物。会議室などを共用で利用でき、入居テナント同士の連携で新たな産業の創出・育成も期待される。

開発第三部 統括マネージャー

宍戸徹夫

開発第三部 マネージャー

古澤修一

※役職は2021年7月現在

移転した本社跡地を売却したい

三菱商事グループである五十鈴さまから、「旧本社跡地の土地を売却したいが、どのような方法があるか?」との相談を受けたのは2020年春頃。MCUDは事業性の高い土地活用が可能かどうか、検討を始めました。

五十鈴さまが売却予定の旧本社跡地は、京浜急行電鉄(京急)の六郷土手駅から徒歩6分という絶好の立地。まずは賃貸マンションなど、住宅としての再開発の可能性を検討しました。しかしこの土地は、第一京浜(国道)と京急線に挟まれ交通量が多い上、敷地の形状や法令制限上、マンション建設には向かないものでした。MCUDは、住宅としてはバリューを出しづらい土地と判断。では、どのような土地活用が考えられるのか──。担当の宍戸と古澤は頭をフル回転して考える日々を過ごしていたといいます。

キーワードは「産業振興」

五十鈴さまの旧本社跡地がある東京都大田区は、日本有数の町工場の集積地。「『数多くのものづくり企業が切磋琢磨するこの地に合った開発とは何か』を考えた時、『マルチテナント型工場・研究開発施設』ならば、土地の有効活用ができるし、マンション建設よりも事業性が出るかもしれない」との仮説が浮かんできました。

MCUDは以前、産業振興に力を入れ、ものづくり企業の誘致とサポートに取り組んできた大田区から「ものづくり企業のための施設が不足している」といった話を聞いていました。「住宅地としてのバリューを出しづらい旧本社跡地を、マルチテナント型工場・研究開発施設という新しいアセットにチャレンジする場所として検討してみることにしました」(古澤)。

開発第三部 マネージャー
古澤修一

2020年夏、古澤は大田区に足繁く通い、行政や仲介会社、地元の工業連合会などに数回にわたってヒアリングを行いました。「一番の懸念は、『そもそも入居してくれる会社があるのか?』ということ。ヒアリングを重ねる中で、スタートアップ企業やベンチャー企業を中心にニーズがあることがわかり、最終的には複数社から入居の意向を頂くことができました」(古澤)。

有益な情報収集や事業性の検証には、三菱商事グループのネットワークも大いに機能。「ものづくり」と「不動産」が融合して新たなアセットを生み出すことができるとの確信が、宍戸と古澤の中で大きくなっていきました。「大田区の皆さん、ものづくり企業の皆さんが待ち望んでいたものを提供する場所を造ることは、ESGのSocial(社会性)の側面からも、五十鈴さまにとっても価値が高いと考えました」(宍戸)。

収益不動産としての事業可能性が明らかになってきたことで、売主である五十鈴さまへの土地有効活用の提案方針が固まりました。マルチテナント型工場・研究開発施設への再開発を提案したところ、五十鈴さまとしては、ものづくり企業として社業を発展させてきた思いの詰まっていた旧本社跡地が、同じものづくりに情熱を注ぐ企業の皆さんに活用してもらえる施設に生まれ変わることに共感いただき、MCUDの提案を採用。2021年3月に旧本社跡地の売却に至りました。

開発第三部 統括マネージャー
宍戸徹夫

型にはまらない土地活用の提案力を強みに

売主にとって遊休不動産の有利売却に加え、ものづくり企業のアイデンティティが承継されること。ものづくり企業、特にものづくりベンチャーにとっては、自社の成長過程に合わせてフレキシブルに場所を選択し、施設内での交流やイノベーション活動が期待できること。そして地元の大田区にとっては、ものづくり企業に活動の“場”を提供することで、地元の産業振興に貢献するエコシステムを確立できる──。

三者三様の潜在的なニーズをMCUDが合致させ、花開かせた今回の取り組み。加えてMCUDにとっては、「マルチテナント型工場・研究開発施設」という新たなアセットを手掛けることで、収益不動産開発の新たな可能性を見出しました。物流施設、商業施設や住宅の開発は不動産デベロッパーの得意とするところですが、今回の案件は、立地条件的に一般的な不動産開発の型にはまらないもの。そこでMCUDは三菱商事グループのネットワークと目利き力を活かして、不動産の価値の最大化に真摯に取り組んできました。「単なる利益追求だけでなく、売主や利用者、地元の皆さんの思いも含めたソリューションを提案できるCREがこれからは重要になります。専業デベロッパーにはない、型にはまらず、フレキシブルな土地活用の提案ができることが私たちの強みと考えています」(宍戸)。

「お客さまの不動産に関する知識はさまざまである中、潜在的なニーズをいかに掘り起こせるかということ。そしてたくさんの情報をまとめながら、事業性はもちろん、ESGの側面からも有意義な提案につなげ、実行するという、MCUDならではのCREソリューションを追究していきます」(古澤)。

ESG課題の解決をCREの側面でサポート

持続可能な企業経営戦略では、ESGの視点は欠かせません。企業不動産の有効活用においても、単なる有利売却や拠点の改修・再編を目指すだけでなく、温室効果ガス排出削減や省エネルギー、雇用創出、地域社会の発展、そしてコーポレートガバナンスや事業関連法規を遵守した開発がますます求められるでしょう。MCUDは今回の「マルチテナント型工場・研究開発施設」の事例をテコに、今後も環境や社会面を十分に考慮した収益不動産開発に注力し、お客さまのESG経営に資するCREソリューションを提供していきます。

お客さま、利用者、地域のための
CREソリューション

「マルチテナント型工場・研究開発施設」という新たな収益不動産開発の道を拓いたMCUDのCREソリューション。MCUDはこのノウハウを活かし、第2、第3のマルチテナント型工場・研究開発施設を展開していくことも目指しています。「プレスリリースの発表以降、産業振興に力を入れる自治体などから多くの問い合わせを頂いています」(古澤)。

MCUDはこれからも、企業不動産活用のプロフェッショナルとして、お客さま、利用者、そして地域社会にとって最適なCREソリューションを提案し続けていきます。

課題・ニーズ ①

本社移転し、
旧本社跡地が遊休化
土地の利活用方法がわからない

ソリューション ①

不動産マーケットや
法規制を考慮した
利活用提案

課題・ニーズ ②

キャッシュを創出したい

ソリューション ②

キャッシュ創出につながる
不動産価値の最大化を企画

課題・ニーズ ③

ものづくり企業としての
思いを承継したい

ソリューション ③

土地所有者・テナント企業・
地域産業の
三者のニーズを具現化

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